未経験の転職コラム
2017年1月31日
真相を知りたい!『転職七不思議』 ~選考の途中で面接回数が“増えた!減った!”の謎~
年が明け、あっという間に2月に入りました。今年度も残すところあと2か月です。多くの企業やビジネスマンが4月に向けた業務に追われはじめる頃かと思いますが、今回も、「転職活動では“よくあること”なのに、その真相がわからない」様々な事象、転職活動における七不思議とも呼べるこれらの事情について、真相を探りたいと思います。
第2回目は「選考の途中で面接回数が“増えた!減った!”の謎」に迫っていきます。
採用における面接の基本
就職活動においても、転職活動においても、決して避けては通れないのが「面接」です。これこそが就職・転職の代名詞とも言える最も重要な選考なわけですが、どの企業も概ね2回~3回に分けて面接を実施するというのがオーソドックスですよね。「なんで1回でまとめてやってくれないのかな」なんて思った方も少なくはないはずです。
ところでみなさんはご存知でしょうか?「複数回に分けて面接をする理由」を。今回はまず、ここからお話ししていきたいと思います。
企業が採用における面接で複数回のステップを踏むにはきちんとした理由があります。ここでは、最も平均的な「3ステップの面接」を想定してお話しをしていきたいと思います。3ステップの面接とは、一次面接・二次面接・最終面接のことで、大体の企業が「人事担当者(一次面接)」→「現場責任者(二次面接)」→「役員・代表(最終面接)」を各ステップの面接官としてアサインします。そしてまず、「3つに分ける理由」ですが、これは「各面接官ごとに面接でチェックすることが立場上違う」ためです。以下でそれぞれのチェックポイントを見ていきましょう。
【人事担当者】
人事担当者は採用の最前線に立ってはいるものの、採用するかしないかの最終的な決定権は持っていないことがほとんどです。それに、人事(採用)担当者というのは「営業マン」によく似ていて、「いつまでに何人採用しなければいけない」という、いわばノルマのようなものも課せられている場合が多いです。その事実から、人事担当者の立場としては「最低限の条件をクリアしているのであれば合格にしたい」というのが本音です。よって、人事担当者は基本的に「ビジネスマンとしての最低限のマナー」や「自社で働く上での最低限の条件」をわきまえクリアしているかどうかで合否を決断するケースが多いです。
【現場責任者】
次に現場責任者。これは企業や職種によって様々ですが、「実際に入社した際に直属の上司になるであろう人」を指すことが多いです。現場責任者は人事担当者とは違い、「知識やスキル・経験」を何よりも重視します。入社したら自分直下の部下になるわけですから、当然と言えば当然ですね。また、それだけでなく「既存の社員とうまくやっていけそうか」といったような社風への相性もチェックされます。そのため、3ステップの面接の中では最もハードルが高いステップになることが多いです。
【役員・代表】
最後に役員・代表ですが、「最終面接まで行けばほぼ合格したようなもの」なんていう企業も実は多く、選考ハードル自体はそこまで高くないのが特徴です。チェックするポイントとしては、「会社の経営理念に合うか」「会社のビジョンに共感しているか」などが多いです。人事担当者、現場責任者の面接をクリアしている時点で、このチェックポイントから大きく外れるということはほとんどないことも、最終面接の合格率が比較的高い要因だと言えるかもしれません。
「ステップごとの役割はわかったけど、それも1回でまとめてできるじゃん!」そう思った方、気持ちはわかりますがそれにもきちんと理由があります。
人材の採用は企業にとって非常に重要ではありますが、当然それだけに膨大な時間を費やすことは非効率です。仮に、人事担当者、現場責任者、役員・代表がまとめて選考をするとなった場合、100人の応募があったら、それぞれが100回面接を実施しなければなりません。転職者側には非常にメリットがありますが、これでは企業側は業務にかけられる時間が激減してしまいます。上役になればなるほどスケジュールの調整は難しくなるため、できる限り人数を絞った状態で面接を実施することが企業としての効率の良い採用方法なのです。
以上が、採用における面接の基本です。当然例外もありますが、覚えておいて損はない内容です。
では、いよいよ本題に入っていきたいと思います。
なぜ、面接回数は「増える!?」「減る!?」
この記事を読んでくださっている皆さんの中にも、過去に選考を受けた企業の面接回数が予定よりも増えた、減った、という経験をされた方がいるのではないかと思います。
企業やその時々により様々な理由がありますが、実際にどのような理由や経緯で面接回数が増減するのか、実際にあった例をもとに紹介していきたいと思います。
パターン①「優秀な人材だ。すぐにでも採用したい。(面接回数が減る)」
まずはこのパターン。転職者にとっては願ってもない嬉しい話ですね。企業は常に競合他社と優秀な人材を取り合っています。優秀な人材がいれば即採用、これは鉄則です。規定通りモタモタ選考をしているうちに転職者の気が変わってしまったり、他社に取られてしまわないよう、何より少しでも早く入社して戦力になってもらうために面接回数を短縮します。
パターン②「少し懸念がある。もう1度面接をして再検討したい。(面接回数が増える)」
ちょっと不安が募るこのパターン。ガッカリしてしまいたくなる気持ちもわかりますが、可能性は十分あります。このパターンの場合は、面接中の「ちょっとした一言」や「些細な事」が引っかかって懸念になっていることが少なくありません。つまり「ここさえこうだったら・・・」というほんの僅かな懸念でしかないのです。そこさえしっかりと改善して挑めば問題なくクリアできるはずです。また、他にも優秀な人材が出てきたので、比較のためにもう一度選考を行いたいというケースも可能性としてあり得ます。
パターン③「予定が合わない、やむを得ないのでまとめて実施したい。(面接回数が減る)」
これも実はよくあるパターン。転職者側と企業担当者側の予定が合わないため、やむを得ずまとめて選考を行います。ある程度企業側の採用意欲が高い場合でないと実現しませんが、「非常に多忙な転職者」や「遠方から選考を受けに来ている転職者」などはこのパターンに遭遇することが多いかもしれません。
パターン④「他職種での採用も検討したい。一度会わせてほしい。(面接回数が増える)」
これは割と稀ですが、本来選考を受けていた職種とは別の職種での採用も検討したいというパターン。「応募した職種よりも、別の職種の方が活躍できそう」などと企業側が判断した場合に、新たな選考職種の担当者ともう一度面接を実施するという流れです。
どちらも「デメリット」ではない
いかがでしたでしょうか。上記以外にももちろん様々な事例がありますが、面接回数が減ることは仕事をしながら転職活動をしている多忙なビジネスマンにとっては非常にありがたいことですよね。
できれば面接回数が増えることはあってほしくないと多くの方が感じられるかと思いますが、ひとつ誤解しないでいただきたいのは、面接回数が増えることは必ずしも「デメリット」ではないということです。
確かに、「懸念があるのでもう一度選考したい」と言われてしまったらどこかナイーブな気持ちにもなりますが、それは少なからず企業側に「あなたに対する採用意欲」があるからこその事態です。採用するつもりがなければ、懸念がある時点でお見送りにするのが当然なわけですから。そのような際は、後ろ向きにならずに「何が懸念になったのか」を冷静に考えて次回の面接で挽回できるように対策をしましょう。
また、面接回数が減る場合も、上記の例だけでなく様々な理由があります。「面接回数が減ったから自分は優秀だと思われている」と、あまり自意識過剰になり過ぎないよう注意することも必要です。
最後に・・・・・・
これまで疑問だった「面接回数の謎」が解決できたでしょうか。今回の記事は、筆者のキャリアコンサルタントとしての実体験や経験を基に記載しましたが、あくまでこれが全ての企業に当てはまるわけではないということは誤認されないようお気を付けください。
それでは、次回の「七不思議シリーズ」をお楽しみに・・・・・・。
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