未経験の転職コラム

2016年9月7日

勘違いしがちな転職の落とし穴~家族には、内定をもらってから相談することの落とし穴~

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勘違いしがちな転職の落とし穴~家族には、内定をもらってから相談することの落とし穴~

元キャリアコンサルタントが語る!『勘違いしがちな転職の落とし穴シリーズ』。
今回は「家族には、内定をもらってから相談することの落とし穴」について、実体験を交えながらお話しさせていただきます。

転職は「誰のために」するのか

みなさんもよくご存じのとおり、転職をする「理由」は人それぞれですよね。
「体調が悪くなってしまった親のために、実家の近くに転職したい。」
「妻のために、妻の地元に移住して転職したい。」
「家族のために、もっと高い給与がもらえる会社に転職したい。」など、
まさに、人それぞれ、家庭それぞれです。

しかしながら、私の経験上最も多い理由はやはり、「自分のため」です。
今回フォーカスするのは、今もしくはこれから「自分のために」転職しようとしているみなさんです。
そんなみなさんが落ちてしまいがちな落とし穴の危険性をお伝えします。
※今回のコラムでは「ご家族=両親や祖父母、配偶者など全て含む」として進めさせていただきます。

「自分のための転職」が落とし穴の入り口に!?

私がキャリアコンサルタント時代、転職相談で必ず転職者に聞いていたことがあります。
「大まかな家族構成」「実家に住んでいるか?」「配偶者はいるか?」「ご家族は転職することを知っているか?」など。
今のご時世、このようなプライバシーにかかわる質問は、失礼になってしまう危険性がありますが、“後に起こりうる危険を回避するため”必ず確認しなければいけないことなのです。もちろん、オフィシャルのルールだからというわけではなく、あくまで私が転職サポートをするために必須だと考えていたという意味ですが。

なぜなら、転職活動において“ご家族”の存在は非常に大きいと私は考えていたからです。
とくに男性に多いのですが、転職活動をすること、していることをご家族には相談しておらず、独断で活動を進めている方が非常に多かったという印象が残っています。
「相談したくない」「相談しなくても問題ない」「両親とは別居しているから相談する必要はない」などこれも人により理由はさまざまですが、いずれにせよ“危険”なことに変わりはありません。
これらの転職者の方々は、往々にして「入社が決まってから報告しよう」と考えていることが多いようですが、危険です。その「結果だけ報告すればいいだろう」という考えが、みなさんにとって大きな問題に発展する可能性を秘めているのです。

たかが相談、されど横断。

我々キャリアコンサルタントは、転職者の方々が少しでも理想に近い企業に転職ができるよう、日々近い距離で活動のサポートを行っています。とはいえ、人と人との関係ですから、非常に親密になってくれる方もいれば、言い方は悪いですが、我々を単なるツールとして活用される方々もいます。
どちらが良い悪いということではなく、我々が知ることができる転職者の方々の情報も、その方々によって変わってくるのです。
書類選考を通過し、何度か面接に足を運び、内定が出る。「お見送りになってしまう」ことを除けば、ここまでのフローでとくに大きな問題が起こることは少ないです。ですが、内定を「承諾した後」にそれはやってくるのです。

「親に○○社への入社を反対されました。」
「妻が○○社への入社に猛反対しています。」

転職者本人、そのご家族、入社予定の企業、そして我々キャリアコンサルタント……。全員にとって“予期せぬ最悪の事態”が発生します。
私たち人材紹介会社にとって、転職者の方々はもちろんですが、みなさんに紹介している企業も同様に大事なお客様です。企業側は、転職者からの内定承諾を受けて、入社に向けさまざまな準備をはじめ入社を心待ちにしています。いくら転職者の方々の要望であったとしても、「家族に反対されたので内定を辞退したい。」という要望に「はい、わかりました。」と簡単にうなずくわけにはいかないのです。だからこそ、決してそのような状況にならないために、ご家族には逐一状況や情報の共有をしなければいけないのです。
早い段階からご家族に相談ができていれば、もし転職者の方が選考を受けている企業にご家族が懸念を持っていたとしても、転職者本人が「入社したい」という気持ちがあるのであれば、我々キャリアコンサルタントが協力しながらご家族を説得したり、納得していただけるような情報提供や説明をすることができます。

しかし、いざ内定が決まり承諾した後となってしまっては、我々が介入して力添えするのは至難の業です。「なぜ今まで黙っていたのか!?」と怒りすら覚えてしまっているご家族に対し、いくら転職をサポートするパートナーと言えど、赤の他人である我々の問いかけや説得が届くわけがありません。だからこそ、決して「独断で転職活動を進めること」を軽視してはいけません。「内定を承諾するまで相談しなかった。」ただそれだけのことで離婚沙汰にまで発展するケースすらあったのですから。
「たかが○○、されど○○」という言葉があるように、たかが相談、されど相談。たかが報告、されど報告なのです。
決して、独断で「大丈夫だろう」と高を括ってはいけません。
例えあなたにとって「自分のための転職」であったとしても、その転職はあなただけでなく、ご家族や周りの方々に少なからず影響を与えます。
内定を、転職の成功を、ご家族全員が喜べるようにしっかりと「相談しておくこと」を忘れないでください。
あなたの大切なキャリア、そしてご家族のために。

(文/芦沢哲也)

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