未経験の転職コラム
2016年9月30日
クリエイター職希望者必見!
選考通過のカギ!「ポートフォリオ」の重要性
「デザインがしたい!」「イラストレーターになりたい!」「クリエイターになりたい!」
そんな希望を抱く皆さんに、今回は、元キャリアコンサルタントでもあり、現在ワークポートのクリエイティブ業務を担当している芦沢が、“ポートフォリオの重要性”についてお話します!
※この記事では、「イラストレーター/グラフィックデザイナー/Webデザイナー/2Dデザイナー/3Dデザイナー など」の様々な職種を「クリエイティブ系職種」と総称して表記しています。
ポートフォリオとは
そもそも、「ポートフォリオ」とは何でしょうか?答えは簡単、「作品集」のことです。これまでどのような作品を創ってきたのかをまとめた、いわば「あなたの作品のアルバム」のようなものとも言えますね。作品集と聞くと、一般的には「本」のようなものをイメージする方も多いと思います。もちろん、ほぼそれで正解なのですが、必ずしも「本や冊子」である必要はありません。掲載する作品はもちろん、それらをまとめたポートフォリオそのものも、クリエイターにとってはひとつの作品です。「何を伝えるか」「どのように(何を使って)伝えるか」は、十人十色なのです。
何を判断するの?
これはズバリ、「履歴書や職務経歴書ではわからないスキル」です。が、当然それだけではありません。基本的にはポートフォリオを通してクリエイターとしての総合的なスキルを判断していきますが、例えば「イラストレーター」の場合は、描くイラストの“テイスト”なども重要な判断軸となります。わかりやすく言えば、ファンタジー系のイラストを得意とするイラストレーターであれば、たとえスキル自体が高い評価を得ていたとしても、コミカルなテイストのイラストを使用する企業からの評価はあまり高いとは言えません。グラフィックデザインやWebデザインもしかり、同じ職種であっても、それぞれのクリエイター、あるいは企業が得意としているジャンルやテイストには違いがあります。企業側は単純な技術だけでなく、そのような面でも「本当に自社に合うクリエイターなのか」ということをポートフォリオを通して判断します。
選考でポートフォリオが必要になる職種
ここで気になるのは、「どんな職種を受けるときにポートフォリオが必要なのか」ということ、ざっと以下に羅列してみたので、是非参考にしてみてください。
イラストレーター/グラフィックデザイナー/2Dデザイナー/3Dデザイナー/モーションデザイナー/Webデザイナー/Webディレクター/シナリオライター/Flashデザイナー/UI・UXデザイナー/背景デザイナー/ゲームプランナー/サウンドクリエイターなど
(※ここに記載したものが全てではありません。また、ここに記載のある職種でも、企業によってはポートフォリオが不要な場合もありますので、あくまで参考としてご覧ください)
ポートフォリオ作成にあたって
さて、ポートフォリオについて一通り学んだところで、いよいよ作成に入るわけですが、今回はクリエイティブ系職種の中でも比較的メジャーな3職種について、それぞれのポートフォリオ作成上のポイントを簡単にお話ししていきたいと思います。
共通のポイント
イラストレーターでも、グラフィックデザイナーでも、Webデザイナーでも、必ずそれぞれのクリエイターが「得意とするジャンルやテイスト」があると思います。
ポートフォリオ内では、それらの得意分野がしっかりと伝わる作品をピックアップして掲載しましょう。また、多くの方は「作品だけ」を掲載することが多いですが、「何に使われたデザイン(イラスト)か」「制作時間(期間)はどれくらいか」「担当した領域はどこか(全部ひとりでやったのか、一部分だけなのか)」「制作に使用したツールは何か」などの情報も掲載しておくことが大きなポイントです。
イラストレーターのポートフォリオ
(この職種について詳しく知りたい方はこちら)
完成作品だけでなく、ラフや線画なども並べて掲載することで、その人の作品創りの流れがイメージしやすくなります。
また、イラストレーターの場合、「デッサン力」を選考の判断基準にしている企業も少なくないので、過去に学校やプライベートなどで描いたデッサン作品がある場合は、一緒に掲載しておくと効果的です。グラフィックデザインやWebデザインに比べ、クリエイター独自の世界観を表現しやすいイラストでは、どのようなイメージや世界観をもって制作したかを記載してみるのも良いですね。
※ポートフォリオ内の1ページをイメージした参考例です。
グラフィックデザイナーのポートフォリオ
(この職種について詳しく知りたい方はこちら)
ひとえに「グラフィックデザイン」と言っても、その作品のジャンルは多岐にわたりますが、ポートフォリオを作成する上での大まかポイントは同じです。完成作品だけでなく、ラフや制作に使用した素材も掲載することで、どの程度の制作・加工スキルがあるかを判断しやすくなります。また、他社からの依頼により制作を請け負うことが多いので、「どのような要望だったのか」を文面で掲載することで、完成作品がどれだけクライアントの要望に応えられているかも判断できます。それ以外にも、制作する上での独自のポイントも掲載すればあなた自身のオリジナル性もアピールできます。
※ポートフォリオ内の1ページをイメージした参考例です。
Webデザイナーのポートフォリオ
(この職種について詳しく知りたい方はこちら)
Webデザインの場合も、基本的には他社からの依頼により制作を請け負うことが多いと思いますので、グラフィックデザインの場合と同様に「どのような要望だったのか」を文面で掲載し、完成作品がどれだけクライアントの要望に応えられているかを判断できるようにまとめましょう。また、Webサイトの場合は、キャプチャを見るよりも、実際にサイトにアクセスして見た方が作品の良さが伝わりますので、「サイトのURL」を必ず記載するようにしましょう。QRコードなどを作成すれば、スマートフォンからも簡単にアクセスできて、デザイン的にもオシャレですね。
※ポートフォリオ内の1ページをイメージした参考例です。
クリエイティブ系職種を受ける人が知っておくべきこと
以上のことから、ポートフォリオの重要性や作成方法についてはある程度ご理解いただけたかと思います。
キャリアコンサルタント時代、クリエイティブ系職種を希望する転職者の方々から、よく「○○の資格取得のために勉強しています。」という話を聞くことがありましが、正直なところ、クリエイティブ系の職種に関しては「資格の有無」が選考の結果に大きな影響を与えることはありません。学歴でもなく、資格でもなく、良くも悪くもスキルが最重要視されるのがクリエイティブ系職種の特徴です。もし、今クリエイティブ系職種へ転職するために何か資格の勉強をはじめようとしているのであれば、ひとつでも多く企業に提出できる「あなただけの作品」を作ることに注力するべきです。
ポートフォリオの制作は想像以上に時間と労力を使いますが、クリエイター志望の皆さんへの評価の大半を占める重要な選考要素になります。
是非、熱い想いとこだわりを持って、みなさんのスキルの結晶となる素敵なポートフォリオを創ってください。
(文/芦沢哲也)
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