未経験の転職コラム

2016年8月12日

勘違いしがちな転職の落とし穴~受けたい会社しか受けないことの落とし穴~

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勘違いしがちな転職の落とし穴~受けたい会社しか受けないことの落とし穴~

元キャリアコンサルタントが語る!『勘違いしがちな転職の落とし穴シリーズ』。
今回は「受けたい会社だけ受けることの落とし穴」について、実体験を交えながらお話しさせていただきます。

“受けたい会社だけ受ける”、何がいけないのか?

「受けたい会社しか受けないのは当たり前でしょ!?」
「受けたい会社しか受けないことの何がいけないの?」

今回のコラムのタイトルを見てまずはじめに、多くの方がそのように感じたのではないでしょうか?
そんな皆さんへ、私から冒頭でまず伝えたいことは2つです。
1つ目、『“受けたい会社しか受けないこと”が、決して「いけない」わけではない』ということ。
そして2つ目、しかしながら『“受けたい会社しか受けないこと”が、時に転職者のみなさんのキャリア(未来)の道を閉ざしてしまう可能性がある』ということです。
それらを踏まえた上で、今回は転職活動の中にある「様々な可能性」という点にフォーカスしてお話しさせていただきます。

大半の転職希望者は“自ら”転職の可能性を狭めているという現実

人は誰しも、その人独自の「考えや価値観」を持っており、時にその人にとっての“常識”とも成りうるその考えや価値観を基に、日々生活をしていますね。転職活動においても、「応募する社数」「興味を持つ企業」「転職の進め方」……など、すべてがその人独自の考えや価値観によって決められ、それはまさに十人十色です。
「転職」というものは、一般的にあまり“ポジティブなイメージ”を持たれることはなく、転職活動をしていること自体、公にする人はあまりいないと思います。
友人や同僚をはじめ周囲の人たちに気軽に相談できないことから、結果として「自分自身の考えや価値観」によって決断を下さなければいけない場面が多くなります。

その状況こそが、まさに皆さんの転職の可能性を狭める一歩手前の段階であることを、どれだけの転職者の方が理解しているでしょうか。
私がキャリアコンサルタント時代に毎日行っていた転職相談の中で、必ず転職者の方々に「求人を紹介する」タイミングがありました。
曲がりなりにもプロとして皆さんの転職相談を受けていましたので、その方のスキルや経験、性格などに合う“これだ!”と思う求人をピックアップして紹介させていただいていました。

しかし、大半の転職者のリアクションは私が想像したものではないことが多いのです。「ん~、なんかこれ(求人)はちょっと……。」「この求人は遠慮しておきます……。」
そんな反応を目の当たりにして、当然私の中にはひとつの疑問が生まれました。「なぜ、そんなに簡単に“違う”と判断してしまうのか。」と。
そして更に驚くのは、実際に「なぜそう(違うと)思うのですか?」という問いに、「なんとなく」や「自分の勘で」などと答える人が少なくないことです。
これはつまり、多くの転職者が「確かな情報」ではなく、「自分自身の考えや価値観」によって判断を下している実情なのだと私は感じました。
今日、あるいは昨日、あなたが目を通した求人。「少し給料が下がってしまうな。」「少し残業が多いな。」「今までの経験をフルには生かせないな。」
疑念や懸念は当然生まれるかと思います。しかし、本当に“たったそれだけの”情報で決断してしまっていいのでしょうか?

・給料は少し下がる。でも、職場の雰囲気はあなたにピッタリの会社。
・少し残業は多い。でも、給与の上り幅がすごくいい会社。
・少し経験とズレる仕事。でも、あなたに絶大な期待をしてくれる会社。

あなたが見た求人は、そんな可能性を秘めている会社の求人かもしれないのです。
それらは全て、あなた自身が自ら足を運び確かめなければわからない情報なのです。
転職は、人生でそう何度もするものではありません。転職者にベテランはいないのです。
だからこそ、あなた自身の考えや価値観だけを信頼する転職活動を行ってはいけません。
「自分がこう思うのは、本当はただの偏見なのではないか。勘違いなのではないか。」そう言い聞かせ企業を見定めなければならないのです。

“理想”が叶うことはない、だからこそ理想を追いすぎてはいけない

「受けたい会社だけ受ける」こと。そこにはもう一つ、皆さんにお伝えしておきたい危険が潜んでいます。

受けたい会社とはつまり、今あなたが“手の届く範囲でベストな会社”であることがほとんどです。そんな会社から内定をもらえればもちろん文句なしですが、大概はそう上手くはいかないものです。そこで「もう少し条件を下げよう」と決断ができれば問題ないのですが、人は理想を追い求める生き物です。そう簡単には妥協できない人が多いのではないでしょうか。ですが、私がひとつ断言できるのは、転職において「理想が叶う」ことはほぼ100%ないということです。
世の中に完璧な人間などいないのですから、その人間が動かしている会社に完璧があるはずはないのです。どんな会社にいつ入社したとしても、必ず懸念は生まれます。それが当然なのです。だからこそ、“理想の企業を探すような転職活動”をするべきではないのです。
理想を追うだけの企業探しをしてしまえば、あなたは本来の転職の目的を忘れてしまいます。
「自分のスキルをもっと生かしたい」「もっと幅広いキャリアを歩みたい」そんな志を抱いて始めた転職活動が、いつしか
「自分の理想の企業に入社したい」という想いに変わってしまってはいませんか?
「もっといい企業がある・・・もっといい企業がある」そうしているうちに、理想だけが高くなってしまってはいませんか?

まずは「3つ」、あなたが今回の転職で「絶対に叶えたい条件」を決めてください。そしてその最低限の条件3つを満たしている企業や求人が見つかったら、ためらわずに応募してください。そして、面接に行ってください。あなたの目で耳で直接その企業を確かめてください。

ときに「こんなに雰囲気の良い企業だったのか!?」という発見ができるでしょう。
ときに「こんな素敵な仲間たちと仕事ができるのか!?」という驚きに巡り会えるでしょう。
ときに「こんな素晴らしいビジョンを持っている会社だったのか!?」という可能性を感じるでしょう。

皆さんの転職活動は、まだ見ぬ驚きと感動、そして大きな可能性に満ちています。
どうかその可能性を、決め付けや偏見などで閉ざしてしまうことのないよう、心がけてください。
「時間がない」とあきらめてしまったたった1社への応募が
「面倒だ」と思っていたたった1回の面接が

あなたのキャリアを変えます。あなたの人生を変えます。そして何よりあなた自身を変えるのです。

(文/芦沢哲也)

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